ブログを引っ越しました。

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チルダイした

「大城(立裕=引用者)の文学的業績は沖縄の現代思想である反復帰論の思想とセットになったときにこそ、21世紀に入る文学的・思想的条件を獲得することができるのである」 (比屋根薫「2011 年末回顧 3 小説」、沖縄タイムス、2011年12月22日) 「沖縄の現…

  寒卵

「いまどこ?」のメールに寒風の中と答ふ 割るるときまごうかたなし寒卵 帰宅より急(せ)くこと多し寒夕焼 鬱病とひとしき重さ寒卵 冬涛や沖の沖には沖ばかり 数珠つなぎの債務とむつむ日向ぼこ 人去りてうつつは夢の芒原

消費資本主義社会はつらいよ(番外編) 09:56

● 時間の個人化 −−ジャン・ボードリヤール 消費者が主体に躍り出ることによって、せり上がってきたのは、時間の個人化という事態である。ジャン・ボードリヤールは『消費社会の神話と構造』(今村仁司・塚原史 訳、紀伊国屋書店)で、このように述べている。…

 秋夕焼け

こころとは秋夕焼の遺物かな 天高し街を行くもの脚二本 乙女座の男なりけり鰯雲 幻灯のような妻なり虫の夜 ただいまに誰も居ぬ家虫の夜 ビルを出て悔しければ天高し

すべての職場が全面禁煙か分煙に

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111019-OYT1T01004.htm?from=top . 厚生労働省は19日、すべての事業所と工場に「全面禁煙」か、喫煙室以外での喫煙を禁止する「空間分煙」を義務づけることなどを盛り込んだ労働安全衛生法改正案をまとめた。 2…

冬隣

生国は押入れなりき秋夕焼 ちりぢりにばらばらに仮設の秋の昼 腸(わた)取りし秋刀魚定食バカッたれ 探しもの無月またいで帰り来ぬ わが道をゆくのみ鰯雲と観覧車 看取るのは我か汝か冬隣

したたかな脱力系

花田英三・矢口哲男「オン ザ ビーチ」(EKE企画) 本書は、詩の同人誌「EKE」に現在も連載されている往復書簡の、2002〜07年掲載分を1冊にまとめたものである。話題は日常のあれこれであったり、詩の話や酒の話であったりするのだが、すべてが…

鰯雲

世の中に猫はなぜいる鰯雲 鰯雲いましばらくの辛抱だ 手摺り掴み釣瓶落としの齢かな こもるとはたたかうことと冬銀河 そぞろ寒ひとりおろかに七十歳 軒遊びかつてそこには秋夕焼け

消費資本主義社会はつらいよ(その3)

● 「我慢できる限界は3分」 閑話休題。ぼくが言いたいのは、マチヤからスーパーへの移りゆきを象徴的な例として、消費社会の噴流にまきこまれることになった人々の意識や感性がどう変わったか、そして何を喪ったかということである。あるいは社会の急激な変…

 消費資本主義社会はつらいよ(その2)

● 「あと戻り」できない こんなことを書いたからといって、べつにノスタルジックになっているのではない。現在を呼吸しているぼくたちは、何ものとも知れぬものにせき立てられ、ゆとりを失い、いわば強迫神経症的な生を生きるほかなくなっている。けれども「…

 消費資本主義社会はつらいよ

(何でこんな原稿を書いたのか記憶はあやふやだが、ハードディスクにいつまでも残しておくのは不憫なので蔵出しします。たぶん2008年に書いたもの。何回かに分けてアップします。現在の実態にあわせて修正したところがあります。) ● レジ前の殺意 会社…

IT製品との終わりなき戦い

2ヶ月ほど前にipad2を買った。嬉しかったことは間違いないが、無条件でそうかというと、そこのところは微妙である。忌々しいという感情がかなりの程度まじっているのである。強いて言えば、うれしさが3分の2、忌々しさが3分の1。IT製品を買うたびに毎度…

蟻を潰す

蟻を潰す己に視られている殺戮 片陰を歩くこの先段差あり 青信号まで炎天にいたぶられ ブラジルの裏側に住み日雷 昼寝覚ま暗がりのど真ん中

繰り上げ法要(追記あり)

新聞の告別式の広告を見ているいると、繰り上げ法要が目立ってふえているような気がする。いつからそうなのかは知らないが、ぼくがこのことに気付いたのは3,4ヶ月ほど前である。(数年前のエントリーでも繰り上げ法要のことを取り上げたことがあるが、数…

 遠雷

昼寝覚ゴジラの嚔に驚きて 遠雷の墓場は絶対北谷沖 蝉しぐれ薄墨色の現住所 明日は夏至明日は厭な日なりけり 夏のリーフその裏側の妣が国 片陰を敗残兵のごと歩む

「この雰囲気がたまらないんだよ」

今ではだいぶ様相がちがっているいるだろうが、復帰前の沖縄の選挙は相当に過熱したものがあった。とくに郡部においてはそうで、部落はひとつにかたまり、選挙中はよそ者の侵入をゆるさないという空気であった。 このような現象は、沖縄にかぎったことではな…

 蟻の心

信号待つ長き炎天の都落ち 梅雨晴間平成にそろそろ飽きにけり 蝸牛地球の端を密と這う 夏の昼七十のわれはどのあたり 指先を逃げ惑う蟻の心想う

 琉球語の「チム(肝)」について

1 沖縄では、こころ(ククル)よりも、意味内容がほぼかさなるチムという言葉が圧倒的に多く使われる。チムとは肝のことである。この言葉は、動物の内臓器官である肝臓を指すのでないかぎり、ほとんどの場合、こころの意味で用いられる。国立国語研究所編の…

未成年者の万引通報を「ためらう」ことの輝き

(5月5日改稿) 5月1日の沖縄タイムスにこのような記事が載っていた。 「『万引必ず通報』6割」、「那覇署店舗アンケート」、「調書・未成年にためらい」。 リード文は次の通り。 「那覇署が管内の小売業28店舗に対して実施したアンケートで、『万引…

 可憐な町と可憐な欲望

トンネルが開通して、それまで集落の中を走っていた国道58号が山寄りに移動したために、郷里の行き帰りに、辺土名の集落を通ることはなくなった。 10年ほど前、郷里でキャンプをしたときに、買い出しの必要があって、辺土名の食品スーパーに車を走らせた…

やんばるの道の変遷

やんばる(山原)をドライブしていると、ところどころに旧道を目にする。ほとんどが山裾の凹んだ場所にあって(与那トンネルのある場所のように例外ももちろんある)、かつての海岸線に沿って立地している。旧道は今でも轍がくっきりと残り、雑草が生い茂っ…

少年(未成年者)の集団飲酒について

2010年9月23日の琉球新報に次のような見出しと小見出しの記事が載っていた。 「集団飲酒が大幅増加」 「1〜8月、県警補導少年418人」 「携帯で知り合い、目的なく」 記事は次のようなものである。 「3人以上で酒を飲む『集団飲酒』で、県警が補…

「一階部分の思想」ということ(2)

加藤典洋『ポッカリあいた心の穴を少しずつ埋めてゆくんだ』(クレイン) 2.サルマン・ラシュディの言葉 もう一人の、サルマン・ラシュディの文章はつぎのようなものだ。ふただび孫引きである。 国連のアナン事務総長は、かつて何に賛成するかではなく、何…

「一階部分の思想」ということ(1)

加藤典洋『ポッカリあいた心の穴を少しずつ埋めてゆくんだ』(クレイン) 会社のぼくのパソコンを買い換えることになった。 故障や迷惑メールなどで、使用中のパソコンにいいかげん疲れていたし、ぶん殴りたいという発作に襲われたことも一再ならずあったの…

 小さな差異に見出す「幸せ」

ご多分にもれず、子どものころの主食はイモ(芋)であった。学校に持っていく弁当もイモであった。そのことに格別の不満はなかった。 イモにもいろいろな品種があった。記憶にある品種名をぼくの郷里の方言名であげると、「イナヨー」、「スーヤムン(白いも…

ある碁キチのこと

近所のわりと親しくしている人が、家の外に椅子をもち出して往来をながめていた。息子さんが隣に立っていたから、彼に身体を支えられて出てきたのであろう。 その人は無類の碁好きで、何度も対局したことがある。お互い誘い合わせて囲碁の大会に出たこともあ…

胡瓜のこと

NHKのテレビ番組「鶴瓶の家族に乾杯」を観ていたら、ハウスの中で、笑福亭鶴瓶が胡瓜をもぎとり、上着の裾で棘のある表面を拭きとってから、ガブリと旨そうに囓るシーンがあった。 この場面を観ていて、遠い記憶がよみがえってきた。 いつごろまでそうで…

散歩中のこと

散歩中のこと。 ぼくの家は、勾配がかなり急な坂道の近くにある。昨日の日曜日、その坂道を下りていると、50歳代の男性とすれちがった。 すれちがうとき、その男性が「きー ちきてぃ うりみそーりよ(気をつけてお下りなさいよ)」と声をかけて通り過ぎて…

芹沢俊介沖縄講演会(2日連続)

芹沢俊介沖縄講演会(2日連続) ■1日目 日時 6月5日(土) 午後2時〜 会場 てぃるる(沖縄県男女共同参画センター) TEL 098-866-9090(代) 那覇市西3丁目(運転免許試験場近く) 講師 芹沢俊介 演題 暴力のない社会をめざして −子どもと大人の関係に…