論考

消費資本主義社会はつらいよ(番外編) 09:56

● 時間の個人化 −−ジャン・ボードリヤール 消費者が主体に躍り出ることによって、せり上がってきたのは、時間の個人化という事態である。ジャン・ボードリヤールは『消費社会の神話と構造』(今村仁司・塚原史 訳、紀伊国屋書店)で、このように述べている。…

消費資本主義社会はつらいよ(その3)

● 「我慢できる限界は3分」 閑話休題。ぼくが言いたいのは、マチヤからスーパーへの移りゆきを象徴的な例として、消費社会の噴流にまきこまれることになった人々の意識や感性がどう変わったか、そして何を喪ったかということである。あるいは社会の急激な変…

 消費資本主義社会はつらいよ(その2)

● 「あと戻り」できない こんなことを書いたからといって、べつにノスタルジックになっているのではない。現在を呼吸しているぼくたちは、何ものとも知れぬものにせき立てられ、ゆとりを失い、いわば強迫神経症的な生を生きるほかなくなっている。けれども「…

 消費資本主義社会はつらいよ

(何でこんな原稿を書いたのか記憶はあやふやだが、ハードディスクにいつまでも残しておくのは不憫なので蔵出しします。たぶん2008年に書いたもの。何回かに分けてアップします。現在の実態にあわせて修正したところがあります。) ● レジ前の殺意 会社…

 琉球語の「チム(肝)」について

1 沖縄では、こころ(ククル)よりも、意味内容がほぼかさなるチムという言葉が圧倒的に多く使われる。チムとは肝のことである。この言葉は、動物の内臓器官である肝臓を指すのでないかぎり、ほとんどの場合、こころの意味で用いられる。国立国語研究所編の…