2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

  村上春樹の「象の消滅」を読む

琉球新報に共同通信編集委員小山鉄郎の署名入りで、「風の歌 村上春樹の物語世界」という記事が連載されている。 連載10回目の6月25日の記事で「象の消滅」について触れられていた。 「象の消滅」は村上春樹の短編小説の中で、ぼくがもっとも好きなもの…

  否定知識人たち (その2)

なぜ中江裕司はある種の知識人たちから、こうも悪しざまに言われるのだろうか。90年代以降ぼくは、地元の新聞などで、知識人たちによる中江裕司に対する揶揄や批判やあてこすりを何度読まされた知れない。(以後これら知識人のことを否定知識人と呼ぶ) 中…

  否定知識人たち (その1)

(この文章、すこし長くなったので3回に分けて掲載します。その後に、4、5年前に書いた内容的に関連のある文章を、特別編としてアップします。) 6月18日の琉球新報「落ち穂」欄に、沖縄映画研究の現状を痛烈に批判した世良利和の「沖縄劇映画大全」と…

戦場のルーチンワーク

上原正稔の「パンドラの箱を開ける時−沖縄戦の記録」の第130回(琉球新報6月3日夕刊)には、次のような一節もある。 特に、彼は沖縄人に心底、不審を抱き、スパイ扱いしていたから、ただでさえ軍広報紙になり下がっていた沖縄新報はもはや「新聞」とよ…

戦場の給料

上原正稔が琉球新報の夕刊に断続的に連載している「パンドラの箱を開ける時−沖縄戦の記録」をときどき読んでいる。それの133回(6月6日)にこんな一節がある。 宗貞は「こんなところでなんだが」と百円札を一枚、上間に握らせた。「まだ給料を渡してな…