伊藤さんの志望動機全文


今朝(8月28日)の琉球新報に、アフガニスタン東部で武装グループに拉致され、27日に遺体として発見されたNGO「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)のワーカー(現地で働く人)志望動機全文が載っていた。
読みながら肌がざわつくのを覚えた。


「私は、関心がないことには、まったくと言っていいほど反応しない性格です。(/)反応したとしても、すぐに、忘れてしまうか、流してしまいます。その反面、関心をもったことはとことんやってみたい、やらなければ気がすまないと言った面があり、今回は、後者です」
「私が目指していること、アフガニスタンを本来あるべき緑豊かに、戻すことをお手伝いしたいということです。これは2年や3年で出来ることではありません」
「しかし、現地に行かなければ、何も始まらない」


この文章に見られるこころのありようは、おそらく現在の若い人たちに共通しているものにちがいない。ヒロイズムの臭いもなければ、恩着せがましさもない。
引用した文章の少し前に、「カレーズの会」(どういう組織かは分からないが)に入会していたことや「風の学校」(これも分からない)の設立者の番組に興味を持ったらしいことが綴られていて、どっちかというと、生きていることの意味や価値を見出せないまま、漂流している現在の若い人の姿が見えてくる。
伊藤さんは、「ペシャワール会」に着地点を見出したわけだが、その行為から読み取れるのは、どこにでもいそうな青年のありふれた動機といってもよいとおもう。
新聞記事によると、伊藤さんは、現地にとけこんで水を得た魚のように活動していたらしい。
中断された生はたとえようもなく痛ましい。